日本の一人当たりの年間消費量が300個とも言われている卵。そんな卵もお菓子作りには欠かせない材料の一つです。今回は私たちの日常には欠かせない卵について紹介していきます。
栄養抜群!たまごダイエット!
卵はひよこが誕生するために必要な栄養素がほぼ備わっています。そのことから栄養豊富だということがわかります。また卵にはタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれていますが、中でも特徴的なのがタンパク質のアミノ酸のバランスの良さです。人間の体内で作ることができない必須アミノ酸の組成が優れているので卵のタンパク質は良質で栄養価が高い食品です。
BMIが高めの人を対象とした研究では、朝食に卵を食べた人では食べなかった人と比べて昼食の摂取量が少なく、体重が減少すると報告されています。これは、卵料理でタンパク質をしっかり摂ることで、満腹感が増す効果があるためです。卵は良質なタンパク質が摂れて、ダイエットしている方にもオススメの食品なのです。
なぜ卵によって色が違うのでしょうか
卵の殻や卵黄ってものによって色が違いますよね。ではそれは、一体なぜでしょうか?
殻
白い羽の鶏は白い卵を産み、茶色い羽の鶏は茶色い卵を産むのが一般的です(ただし品種改良により、必ずしもそうとは限りません)。ピンクの卵は白い鶏と茶色い鶏を掛け合わせて生まれた鶏から産まれる卵です。ちょうど間の色、というわけです。
卵黄
卵黄の色はエサの色で決まります。トウモロコシが多いと黄色に、パプリカや甲殻類のエサなら赤くなります。
ちなみによく勘違いされていますが、卵の殻の色・卵黄の色いずれにしても、栄養価にはほとんど違いはありません。
では同じ栄養価なのに、赤玉の方が高価なのはなぜ?
スーパーでは赤玉の方が値段が高いことがあります。これは先ほど述べたように「栄養価が高いから」ではなく、「赤玉を産む茶色の鶏がエサをよく食べ、生産コストがかかるから」というのが原因の一つです。
卵の性質
卵にはお菓子作りをする上でも重要な性質が3つあります。それぞれ詳しく解説していきます!
⚫️変熱性
卵の主な成分であるタンパク質は、熱を加えると固まるという性質があります。卵白と卵黄では、含まれているタンパク質の性質が違うため、凝固し始める温度にも差があります。卵白の方が低い58℃から凝固し始めますが、完全に固まる温度は80℃まで上げる必要があります。それに比べて卵黄は65℃前後で凝固し始め、65度〜70℃を維持すると完全に固めることができます。プリンなどではこの性質が活かされています。
●乳化性
乳化作用とは油と水を繋がる働きのことです。卵黄にはレシチンが多く含まれていて、レシチンは水溶性と脂溶性という反発する2つの性質を繋げてくれる働きがあります。乳化作用を利用する場合は、新鮮な卵黄ほどレシチンが多く含まれているので新しいものを使うようにしましょう。
●気泡性
卵には卵白の持つ表面張力や空気変性などの性質により、泡立てるとどんどん空気を抱え込む性質があります。メレンゲを作る際、砂糖を入れると泡立ちにくい強いメレンゲが出来ますが、これは砂糖の働きでタンパク質の変性を抑える働きによるものです。
注意すべきことも…
卵を取り扱う上で気をつけなければならないことはサルモネラ菌(サルモネラ・エンテリティディス)と言われる食中毒の危険性があるということです。生で食べる場合は、なるべく新鮮なうちにしましょう。
製菓材料となる卵の加工品
乾燥卵白
乾燥卵白とは卵白を乾燥させて、粉末にしたものです。色は乳白色のものが多く、普通の卵白と違い製造過程で加熱されているので、サルモネラ菌食中毒の心配がありません。また殺菌・乾燥しているため長期保存ができるというメリットもあります。商品にもよりますが、乾燥卵白に対して水を7〜8倍加えて混ぜることで、卵白に還元することができます。使用時は、グラニュー糖に乾燥卵白を混ぜてから合わせるとダマになりにくく、乾燥卵白を添加することで卵白の濃度が高くなるため、安定性の高いメレンゲを作ることができます。マカロンやメレンゲが壊れやすいココアパウダーなどが入ったスポンジ作りなどの際に添加すると効果的です。
メレンゲパウダー
乾燥卵白にコーンスターチや増粘剤、香料の添加物を加えたもので、色は真っ白なものが多いです。乾燥卵白より高い気泡性があります。主な用途はアイシングで、少し入れることで状態が安定し、作業がしやすいというメリットがあります。またメレンゲパウダーで作ったアイシングは真っ白なので、着色した際に色味が美しく出ます。
まとめ
今回、お菓子作りには必要不可欠な卵をご紹介しました。卵の性質や加工品などそれぞれのお菓子に適した使い方を探してみてくださいね!
では、また〜!